第44回日本脳神経CI学会総会
会長 小笠原邦昭(岩手医科大学脳神経外科学 教授)

 本学会は当時画期的な画像診断法として臨床に登場したX線CTの正し解釈法とその応用法を主に脳神経外科医に普及させるべく、1978年に「日本脳神経CT研究会」として発足しました。その歴史に関しては、第43回岡山大会で当学会の創設者のお一人でもある松井孝嘉先生が特別講演「私の知っている佐野圭司先生と本学会の設立」の中で佐野圭司先生との関係に触れつつ、詳述いただきました。当時をreal timeで知らない私のような会員にとっては、たいへん感銘を受けた講演でした。本学会はその後他のcomputed imagingの出現発達に対応して、1998年に「日本脳神経CI学会」と改名し、発展してまいりました。

 このたび第44回日本脳神経CI学会を当講座で盛岡市にて主催することは、大変名誉なことであります。白河の関以北で本学会が開催されるのは、1998年の札幌大会以来であり、東北6県では初めてとなります。

 第44回盛岡大会のテーマは「Neuroimagingを用いた中枢神経疾患の病態解明~画像原理の正しい理解と自由な発想~」とさせていただきました。医師として、診断の困難な疾患を診断すること、あるいは治療の困難な疾患を治療することは医師冥利につきます。しかし、「疾患の病態解明」ができた時には、臨床医と言えども研究者・科学者冥利につきます。そして、「中枢神経疾患の病態解明」には多くのNeuroimagingが使用されています。X線を用いるCT・DSA、磁場を用いるMRI・MEG、放射線同位体を用いるPET・SPECT、超音波を用いる頚部エコー・経頭蓋Doppler、近赤外線を用いる経頭蓋酸素飽和度・光トポグラフィー、内視鏡・顕微鏡下の発行剤を用いたイメージング、さらにはそれらの組み合わせあるいは機械学習による作成されたより精細な画像が使用されています。第44回盛岡大会では、これらのNeuroimagingを縦横無尽に駆使して、中枢神経疾患の病態解明をしてきた成果を発表していただきたいと思っております。

 しかし、発展したNeuroimagingは、ある意味簡単にしかも鮮明な“それらしい”画像を描出します。そして、その画像が作られた過程あるいは原理を全く理解せずに、日常臨床あるいは臨床研究に応用されていることが散見されます。そうなると特定の画像原理の専門家ではない臨床医は、どの程度まで画像原理を理解すればいいのか迷うところです。一方、特定の画像原理を突き詰めればつきつめるほど、実際の臨床とはかけ離れて行くことも事実です。むしろ、画像原理に全く素人であるほど、専門家には考えつかない自由な発想。応用をすることもあります。

 第44回盛岡大会では、Neuroimagingの「画像原理の正しい理解」をした上で「自由な発想」で「中枢神経疾患の病態解明」をしていただきたいという思いを込めました。プログラムもこの考えに沿って作成しようと思います。

 第44回盛岡大会開催までは1年以上ございますが、会員各位のご協力とご鞭撻をお願申し上げます。
2020年2月6日記